変数名を可変にできると便利なことが時々あります。可変変数では、変数 名を動的にセットし使用できます。通常の変数は、次のような命令でセッ トします。
<?php
$a = 'hello';
?>
可変変数は、変数の値をとり、変数の名前として扱います。上の例では、 hello は、ドル記号を二つ使用することにより、 変数の名前として使用することができます。つまり、
<?php
$$a = 'world';
?>
ここまでで、二つの変数が定義され、PHP シンボルツリーに定義されてい ます。これらは、"hello" を値とする$aと "world" を値とする$helloです。そこで、次の命令
<?php
echo "$a ${$a}";
?>
の出力は、次の命令と全く同じとなります。
<?php
echo "$a $hello";
?>
すなわち、両方共、hello worldを出 力します。
可変変数を配列で使用する際には、曖昧さの問題を解決する必要がありま す。つまり、$$a[1]と書いた場合、 $a[1]を変数として使用したいのか、 $$aを変数とし [1] を変数の添え字としたいのかを、 パーサが知る必要があるのです。この曖昧さを解決するには、前者では ${$a[1]}とし、後者では ${$a}[1]とする構文を用います。
クラスのプロパティには、可変プロパティ名でアクセスすることができます。 可変プロパティ名の解決は、呼び出し元のスコープで行われます。 たとえば $foo->$bar のようにするとローカルスコープで $bar を調べ、その値を $foo のプロパティ名として使います。 $bar が配列へのアクセスであっても同じです。
波括弧を使って、プロパティ名の区切りを明確にすることもできます。 これが特に有用なのは、配列が格納されているプロパティにアクセスするときや プロパティ名が複数のパーツからなる場合、 あるいはプロパティ名として無効な文字を含む場合 (たとえば json_decode() や SimpleXML に由来するプロパティ) などです。
例1 可変プロパティの例
<?php
class foo {
var $bar = 'I am bar.';
var $arr = array('I am A.', 'I am B.', 'I am C.');
var $r = 'I am r.';
}
$foo = new foo();
$bar = 'bar';
$baz = array('foo', 'bar', 'baz', 'quux');
echo $foo->$bar . "\n";
echo $foo->$baz[1] . "\n";
$start = 'b';
$end = 'ar';
echo $foo->{$start . $end} . "\n";
$arr = 'arr';
echo $foo->$arr[1] . "\n";
echo $foo->{$arr}[1] . "\n";
?>
上の例の出力は以下となります。
関数やクラスメソッドの内部で、可変変数と PHP の スーパーグローバル配列 とを組み合わせては使用できないということに注意してください。 $this も特別な変数であり、 動的に参照することはできません。