マニュアル
PHP Manual

優先読み込み

MongoDB 2.2 およびドライバのバージョン 1.3.0 以降では » 優先読み込み をサポートします。これを使えば、レプリカセット環境内でクエリを mongod インスタンスに振り分ける方法を制御できます。 優先読み込みは接続ごとに指定することもできるし、 データベース単位やコレクション単位でも指定できます。 上位で設定された優先順位がデフォルトで引き継がれます (たとえば、MongoCollection の優先読み込み設定は、それに対応する MongoDB インスタンスでの定義を引き継ぎます)。

優先読み込みの指定は、モードとタグセットの組み合わせで行います。 mongod インスタンスの優先順位をどのように決めるのかを指定するのがモードで、 ふさわしい mongod インスタンスの条件を指定するのが » タグセット です。

優先読み込みのモード

警告

MongoClient::RP_PRIMARY 以外のすべての優先読み込みモードは、 古いデータを返す可能性があります。 セカンダリがプライマリの操作を受け取るにはある程度時間がかかるからです。 MongoClient::RP_PRIMARY 以外のモードを選ぶ場合は、 最新のデータではなくてもアプリケーションがうまく動くように作っておかないといけません。

タグセット

» タグセット を使うと、カスタムパラメータに基づいて読み込み操作の対象を特定のメンバーに絞り込めます。 タグセットでは、読み込み操作の対象となるメンバーを特定のデータセンターに絞り込んだり、 レポーティングや分析など操作種別ごとにその対象の mongod インスタンスを絞り込んだりできます。

タグセットを指定できるのは、優先読み込みが次のモードの場合です。

優先読み込みモードが MongoClient::RP_PRIMARY の場合はタグセットを指定できません。 タグを適用できるのはセカンダリメンバーを選ぶときだけ (ただし、NEAREST モードのときは例外) です。

優先読み込みの指定

優先読み込みの設定方法は二通りあります。一つは MongoClient::__construct() に渡す接続 URI で指定する方法で、 このときはクエリ文字列の構文を使います。もうひとつはコアクラスのセッターメソッド群を使う方法で、 このときはタグセット用の配列構文を使います。

優先読み込みモードをクエリ文字列で指定する場合、 readPreferenceTags の値用のタグセットは、 コロンで区切ったキー/値のペアをカンマでつなげた形式になります。

注意:

クエリ文字列内で定義するタグセットには readPreferenceTags という名前を使います。 PHP が URL のクエリ文字列を処理するときとは違って、 readPreferenceTags を複数回指定したとしても上書きされることはありません。 クエリ文字列の中で登場した順に、ドライバがすべてのタグセットをとりまとめます。

警告

マッチするタグセットをドライバが見つけられない場合は、読み込みが失敗します! 適切な代替策を用意しておくのはプログラマの役割です。たとえば readPreferenceTags の値が空なら "no tag set preference" を使うなどです。

例1 接続 URI でのクエリ文字列構文による優先読み込みの設定

<?php
// 一番近いサーバーを優先し、タグは設定しません
$uri  'mongodb://rs1.example.com,rs2.example.com/';
$uri .= '?readPreference=nearest';
$m = new MongoClient($uri, array('replicaSet' => 'rs'));

// "east" データセンターの一番近いサーバーを選びます
$uri  'mongodb://rs1.example.com,rs2.example.com/';
$uri .= '?readPreference=nearest';
$uri .= '&readPreferenceTags=dc:east';
$m = new MongoClient($uri, array('replicaSet' => 'rs'));

// "east" データセンターの一番近いサーバーを選び、レポーティング用に使います
// 代替サーバーとして、"west" データセンターのサーバーを使います
$uri  'mongodb://rs1.example.com,rs2.example.com/';
$uri .= '?readPreference=nearest';
$uri .= '&readPreferenceTags=dc:east,use:reporting';
$uri .= '&readPreferenceTags=dc:west';
$m = new MongoClient($uri, array('replicaSet' => 'rs'));

// "east" データセンターの一番近いサーバーを優先し、
// 代替サーバーとして、"west" データセンターのサーバーを使います。
// それもだめな場合は、タグセットの設定をせずに接続します。
$uri  'mongodb://rs1.example.com,rs2.example.com/';
$uri .= '?readPreference=nearest';
$uri .= '&readPreferenceTags=dc:east';
$uri .= '&readPreferenceTags=dc:west';
$uri .= '&readPreferenceTags=';
$m = new MongoClient($uri, array('replicaSet' => 'rs'));

例2 タグセット用の配列構文による優先読み込みの設定

<?php

$m 
= new MongoClient('mongodb://rs1.example.com,rs2.example.com', array(
    
'replicaSet' => 'rs',
));

// 一番近いサーバーを優先し、タグは設定しません
$m->setReadPreference(MongoClient::RP_NEAREST, array());

// "east" データセンターの一番近いサーバーを優先します
$m->setReadPreference(MongoClient::RP_NEAREST, array(
    array(
'dc' => 'east'),
));

// "east" データセンターの一番近いサーバーを優先し、レポーティング用に使います
// 代替サーバーとして、"west" データセンターのサーバーを使います
$m->setReadPreference(MongoClient::RP_NEAREST, array(
    array(
'dc' => 'east''use' => 'reporting'),
    array(
'dc' => 'west'),
));

// "east" データセンターの一番近いサーバーを優先し、
// 代替サーバーとして、"west" データセンターのサーバーを使います。
// それもだめな場合は、タグセットの設定をせずに接続します。
$m->setReadPreference(MongoClient::RP_NEAREST, array(
    array(
'dc' => 'east'),
    array(
'dc' => 'west'),
    array(),
));


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