(PHP 4, PHP 5)
array_multisort — 複数の多次元の配列をソートする
&$array1
[, mixed $array1_sort_order
= SORT_ASC
[, mixed $array1_sort_flags
= SORT_REGULAR
[, mixed $...
]]] )array_multisort() は、複数の配列を一度に、 または、多次元の配列をその次元の一つでソートする際に使用可能です。 この関数は、ソートの際にキーの相関を維持します。
連想配列のキー (string) は不変ですが、 数値添字は再度振り直されます。
array1
ソートしたい配列。
array1_sort_order
先ほどの引数 array のソート順。
SORT_ASC
はアイテムを昇順にソートし、
SORT_DESC
はアイテムを降順にソートします。
この引数は、array1_sort_flags
と入れ替えることもできるし、完全に省略することもできます。
省略した場合は SORT_ASC
とみなします。
array1_sort_flags
先ほどの引数 array のソート方法。
これらのフラグが使えます。
SORT_REGULAR
- アイテムを通常通り比較します (型を変更しません)。
SORT_NUMERIC
- アイテムを数値として比較します。
SORT_STRING
- アイテムを文字列として比較します。
SORT_LOCALE_STRING
-
現在のロケールを考慮して、アイテムを文字列として比較します。利用するロケールは
setlocale() で変更できます。
SORT_NATURAL
-
natsort() と同様の「自然順」で、アイテムを文字列として比較します。
SORT_FLAG_CASE
-
SORT_STRING
や
SORT_NATURAL
と (ビット OR で) 組み合わせて、
大文字小文字を区別しない文字列のソートを指定します。
この引数は、array1_sort_order
と入れ替えることもできるし、完全に省略することもできます。
省略した場合は SORT_REGULAR
とみなします。
...
追加の配列。オプションで並び順やフラグが続きます。
成功した場合に TRUE
を、失敗した場合に FALSE
を返します。
バージョン | 説明 |
---|---|
5.4.0 |
SORT_NATURAL と SORT_FLAG_CASE が、
arg のソートフラグに追加されました。
|
5.3.0 |
SORT_LOCALE_STRING が、
arg のソートフラグに追加されました。
|
例1 複数の配列をソートする
<?php
$ar1 = array(10, 100, 100, 0);
$ar2 = array(1, 3, 2, 4);
array_multisort($ar1, $ar2);
var_dump($ar1);
var_dump($ar2);
?>
この例では、ソートの後で、最初の配列は、0, 10, 100, 100 となります。 2番目の配列は、4, 1, 2, 3 を有します。最初の配列 (100 および 100) の同じエントリに対応している二番目の配列のエントリは、 同時にソートされます。
array(4) { [0]=> int(0) [1]=> int(10) [2]=> int(100) [3]=> int(100) } array(4) { [0]=> int(4) [1]=> int(1) [2]=> int(2) [3]=> int(3) }
例2 多次元の配列をソートする
<?php
$ar = array(
array("10", 11, 100, 100, "a"),
array( 1, 2, "2", 3, 1)
);
array_multisort($ar[0], SORT_ASC, SORT_STRING,
$ar[1], SORT_NUMERIC, SORT_DESC);
var_dump($ar);
?>
この例では、ソートされた後、最初の配列は "10", 100, 100, 11, "a" (文字列として昇順でソートされています) に変換され、二番目の配列は、 1, 3, "2", 2, 1 (数値として降順にソートされています) となっています。
array(2) { [0]=> array(5) { [0]=> string(2) "10" [1]=> int(100) [2]=> int(100) [3]=> int(11) [4]=> string(1) "a" } [1]=> array(5) { [0]=> int(1) [1]=> int(3) [2]=> string(1) "2" [3]=> int(2) [4]=> int(1) } }
例3 データベースの結果をソートする
この例では、配列 data の個々の要素がテーブルのひとつの行を表しています。 これは、データベースのレコードの典型的な形式です。
データの例:
volume | edition -------+-------- 67 | 2 86 | 1 85 | 6 98 | 2 86 | 6 67 | 7
データは data という名前の配列に格納します。 これは、例えば mysql_fetch_assoc() の結果をループさせたりすれば得られます。
<?php
$data[] = array('volume' => 67, 'edition' => 2);
$data[] = array('volume' => 86, 'edition' => 1);
$data[] = array('volume' => 85, 'edition' => 6);
$data[] = array('volume' => 98, 'edition' => 2);
$data[] = array('volume' => 86, 'edition' => 6);
$data[] = array('volume' => 67, 'edition' => 7);
?>
この例では、データを volume の降順、 edition の昇順に並べ替えます。
私たちが今もっているのは行方向の配列ですが、 array_multisort() で必要なのは列方向の配列です。 そこで、以下のコードで列方向の配列を得たあとでソートを行います。
<?php
// 列方向の配列を得る
foreach ($data as $key => $row) {
$volume[$key] = $row['volume'];
$edition[$key] = $row['edition'];
}
// データを volume の降順、edition の昇順にソートする。
// $data を最後のパラメータとして渡し、同じキーでソートする。
array_multisort($volume, SORT_DESC, $edition, SORT_ASC, $data);
?>
データセットの行はソートされ、以下のようになります:
volume | edition -------+-------- 98 | 2 86 | 1 86 | 6 85 | 6 67 | 2 67 | 7
例4 大文字・小文字を区別しないソート
SORT_STRING
と
SORT_REGULAR
はどちらも大文字・小文字を区別し、
大文字ではじまる文字列が小文字で始まる文字列より前になります。
大文字・小文字を区別しないためには、 元の配列の内容をすべて小文字に変換した配列を用意し、 それをソートの基準にします。
<?php
$array = array('Alpha', 'atomic', 'Beta', 'bank');
$array_lowercase = array_map('strtolower', $array);
array_multisort($array_lowercase, SORT_ASC, SORT_STRING, $array);
print_r($array);
?>
上の例の出力は以下となります。
Array ( [0] => Alpha [1] => atomic [2] => bank [3] => Beta )