PHP5 および PEAR/Cache_Lite のおかげで、XMLRPC「キャッシュつきクライアント」 のリクエストを簡単に XML_RPC2 で扱えるようになりました。本当に簡単に使用可能です。
まず、'XML/RPC2/CachedClient.php' をインクルードします (これだけです)。
<?php
require_once 'XML/RPC2/CachedClient.php';
?>
次に、オプションの連想配列を指定して XML_RPC2 を設定 (プレフィックス、 プロキシ、手動でのバックエンドの選択など...) します。
<?php
$options = array(
'prefix' => 'package.',
'cacheOptions' => array(
'cacheDir' => '/tmp/',
'lifetime' => 3600
)
);
?>
三番目に、サーバの URL とオプションの配列を指定して XML_RPC2_CachedClient オブジェクトを作成します。
<?php
$client = XML_RPC2_CachedClient::create('http://pear.php.net/xmlrpc.php', $options);
?>
そして、サーバのメソッドをコールしてリクエストを送信します。 これは、$client オブジェクトのローカルメソッドをコールすることで行います。
<?php
$result = $client->info('XML_RPC2');
?>
この一行で、まず XMLRPC クライアントの package.info() (プレフィックス + メソッド名) メソッドへの引数 (文字列 'XML_RPC2') つきのリクエストをエンコードします。 そしてそのリクエストを HTTP でサーバに送信し、 戻されたレスポンスを PHP のネイティブ型にデコードします。 これだけのことが、たったの一行でできるのです! さらに、指定した時間内は結果がファイルにキャッシュされます。 次回のコールの際には HTTP リクエストが発生せず、非常に高速になります。
もちろん、サーバのエラーを捕捉するにはこれ以外に数行追加する必要があります。 たとえばこのようになります。
<?php
try {
$result = $client->info('XML_RPC2');
print_r($result);
} catch (XML_RPC2_FaultException $e) {
// XMLRPC サーバが XMLRPC のエラーを返しました
die('Exception #' . $e->getFaultCode() . ' : ' . $e->getFaultString());
} catch (Exception $e) {
// その他のエラー (HTTP あるいはネットワークの問題など...)
die('Exception : ' . $e->getMessage());
}
?>
この配列は任意で指定するものですが非常に有用です。 以下のキーが使用可能です。
オプション | データ型 | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|---|
[...] | [...] | [...] | オプションについては "キャッシュを使用しないクライアント側" を参照ください |
cacheOptions | array | array() | 次の表で詳細を説明します |
"CacheOptions" エントリは連想配列で、以下のキーが使用できます。
オプション | データ型 | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|---|
[...] | [...] | [...] | "Cache_Lite コンストラクタ" で、これ以外のオプションを参照ください |
defaultCacheGroup | string | '' | デフォルトのキャッシュグループの名前 |
cachedMethods | array | array() | キャッシュされるメソッド名の配列 (cacheByDefault が false の場合) |
notCachedMethods | array | array() | キャッシュされないメソッド名の配列 (cacheByDefault が true の場合) |
cacheByDefault | boolean | TRUE | true の場合はデフォルトでキャッシュが "on" になり、 それ以外の場合は cachedMethods で指定したメソッドしかキャッシュされません |
XML_RPC2_CachedClient オブジェクトを作成するのは簡単です。次の構文を使用します。
<?php
// $XMLRPCServerURL は文字列 : たとえば 'http://pear.php.net/xmlrpc.php'
// $options はオプションの配列 : 詳細は先ほどの節を参照ください
$client = XML_RPC2_CachedClient::create($XMLRPCServerURL, $options);
?>
XML_RPC2_CachedClient のコンストラクタを直接コールしないでください。 静的メソッド call() をコールします。
「キャッシュしないクライアント側」のドキュメントを参照ください。 なにも違う点はありません。
キャッシュ処理は完全に埋め込まれており、自動的に行われます。 キャッシュが使用可能な場合は、結果はキャッシュから取得され、HTTP リクエストは送信されません。そのコールに対応する (同じメソッド名と引数の) キャッシュが存在しない場合は、標準の XMLRPC 通信が使用されます (その結果はキャッシュファイルに保存され、次回に使用されます)。