Icehouse バージョンのリリースノート¶
リリースの概要¶
Horizon の Icehouse リリースサイクルでは、 Horizon のユーザーエクスペリエンスの改善、拡張性の改善、既存プロジェクトの多くの追加機能への対応が行われました。コミュニティーは引き続き大きくなっています。詳細はこの続きを読んでください
ハイライト¶
新機能¶
Nova¶
Icehouse でサポートされる OpenStack Compute (Nova) の機能数が増えました。Icehouse リリースの新機能には以下が含まれます。
- ライブマイグレーションサポート
- HyperV コンソールサポート
- ディスク設定拡張機能のサポート
- ホストアグリゲーションとアベイラビリティゾーンの管理サポートの改善
- フレーバー拡張スペックの設定サポート
Cinder¶
継続的に進められている Horizon 全体でロールベースのアクセス制御を実装する取り組みの一環として、 OpenStack Volume (Cinder) 関連のパネルにアクセス制御が追加されました。 Cinder v2 API の使用が Icehouse リリースでオプション経由でサポートされました。ボリューム拡張のサポートも追加されました。
Neutron¶
ルーターのルータールールを表示する機能が Horizon に追加されました。
Swift¶
Icehouse で、ユーザーが、コンテナーを作成し、そのコンテナーをパブリックに設定できるようになりました。パブリックコンテナーをダウンロードするためのリンクが追加されました。ユーザーが明示的に疑似ディレクトリーを作成できるようになりました。コンテナーを作成する際に疑似ディレクトリーを作成する必要はなくなりました。
Heat¶
Icehouse で Horizon は既存の Heat スタックの更新に対応しました。すでにデプロイ済のスタックを変更したり再デプロイしたりできます。更新されたテンプレートは更新時に検証も行われます。また、環境ファイルの追加にも対応しました。
Ceilometer¶
OpenStack Dashboard 経由で管理者が Ceilometer に対して照会を行い、プロジェクト毎の日次使用状況レポートを表示できるようになりました。複数のサービスにまたがって使用状況を照会できます。これにより、個々のプロジェクトがどのくらいシステムリソースを使用しているかを理解しやすくなります。
Trove データベース¶
OpenStack Database as a Service プロジェクト (Trove) は、Icehouse サイクルにおける統合リリースの一部です。Icehouse サイクルでは、クライアントの接続と全体的な安定性が改善されました。
ユーザーエクスペリエンスの改善¶
拡張性の向上¶
ダッシュボードおよびパネルのナビゲーションが更新され、タブ型ナビゲーションに代わってアコーディオン型ナビゲーションが実装されました。ページナビゲーションでダッシュボードおよびパネルグループの展開と折りたたみができるようになりました。この変更により、より多くのダッシュボードを追加できるようになった上、ダッシュボード内のパネル数の増加に対応します。
ウィザード¶
Horizon では、複数ステップの相互依存タスクを完了するためのウィザードコントロールが提供されるようになりました。この機能は、ネットワーク作成のアクションで利用されています。
テーブルのインライン編集¶
テーブル内のフィールドの編集をサポートするようにテーブルが記述することが可能となり、別のフォームを開く必要性が低減されました。管理ダッシュボード、プロジェクトパネルは、この最初の使用例です。
ユーザーによるパスワード変更機能¶
Identity API v3 (Keystone) の拡張機能を活用することで、ユーザーは管理者の介入なしに自分のパスワードを変更できるようになりました。この機能は、以前は Identity API v2.0 のみで利用可能でした。
サーバー側でのテーブルフィルタリング¶
テーブルで、単にページ内の検索を行うのではなく、ユーザーが選択した検索条件に基いてバックエンドの API 呼び出しを行い、その検索結果をテーブルに簡単に表示できるようになりました。この機能の最初の実装例は、管理ダッシュボードのインスタンスパネルです。
Horizon 内部の変更¶
JavaScript¶
ユーザーエクスペリエンス改善策として、AngularJS が主要 JavaScript フレームワークとして Horizon に採用されました。JavaScript は、Horizon インターフェースを実行するためのブラウザーの必要条件となりました。Juno よりさらなる改善が図られます。
プラグインアーキテクチャー¶
Horizon は、ダッシュボード、パネルグループ、およびパネルの動的なローディング/無効化に対応するようになりました。 enabled
ディレクトリーに単にファイルを追加するだけで、Horizon にロードされる項目の選択を変更することができます。Django 設定ファイルを編集する必要がなくなりました。
詳しい情報は、 Pluggable Settings を参照してください。
統合テストフレームワーク¶
Horizon は、稼働中の devstack システムに対する統合テストの実行をサポートするようになりました。テストスイートには制限がありますが、これは極めて重要な進歩です。
Django 1.6 のサポート¶
Horizon は Django のバージョン 1.4 から 1.6 までに対応しています。
アップグレード時の注意¶
Icehouse リリースから、OpenStack Dashboard で使用されるブラウザーでは JavaScript のサポートが必須になりました。
ページレイアウトの変更¶
Horizon のページレイアウトの全体的な構造が変更されました。 third party が作成した既存のテンプレートで、ページテンプレートを上書きしている場合は、作り直す必要があるかもしれません。
ハイパーバイザー設定のデフォルト値の変更¶
can_set_password
のデフォルト値が False
になりました。明示的に True
に設定しない限り、インスタンス起動画面ではインスタンスの「管理者パスワード (Admin password)」の設定項目が表示されません。すべてのハイパーバイザーがこの機能に対応しているわけではなく、これはユーザーにとって紛らわしいことでした。
can_set_mountpoint
のデフォルト値が False
になりました。 ダッシュボードでボリュームのマウントポイントの設定項目を追加するには、設定ファイルで True
に設定する必要があります。現在のところ、Xen ハイパーバイザーだけがこの機能をサポートしています。
Horizon のハイパーバイザー管理に関する動作を変更するには、 settings.py
か local_settings.py
ファイルに OPENSTACK_HYPERVISOR_FEATURES
設定を追加する必要があります。
詳しい情報は、 OPENSTACK_HYPERVISOR_FEATURES 設定 を参照してください。
既知の問題と制限¶
複数ドメインにまたがるサービスのサポート¶
Horizon は、 Identity v3 エンティティーの管理と Keystone の複数ドメイン設定での認証に対応していますが、 default
ドメイン以外のユーザーのリソースを管理する際に v3 と v2.0 のトークン互換性に関する問題があります。このため、 OpenStack Identity (Keystone) のデフォルト API バージョンは v2.0 に戻されました。 1 ドメインの環境では、 Keystone v3 API は使用できます。その場合は OPENSTACK_API_VERSION
を設定してください。