PDO_MYSQL は、PHP から MySQL 3.x、4.x および 5.x データベースへのアクセスを可能にするための PHP Data Objects (PDO) インターフェイス を実装したドライバです。
PDO_MYSQL は、MySQL 4.1 以降に存在するプリペアドステートメントを ネイティブにサポートしているという利点があります。 古いバージョンの mysql クライアントライブラリを使用している場合は、 PDO がこの機能をエミュレートします。
注意: MySQL のテーブル型 (ストレージエンジン) の中には、 トランザクションをサポートしていないものがあります。 トランザクションをサポートしていないテーブル型を使用して トランザクションを使用するコードを書くと、 MySQL はトランザクションが正常に使用できたかのように振舞います。 さらに、DDL クエリを実行する際には、 実行中のトランザクションが暗黙的にコミットされます。
--with-pdo-mysql[=DIR] で PDO MySQL 拡張モジュールをインストールします。オプションの [=DIR] には、MySQL の基底インストールディレクトリを指定することができます。 [=DIR] に mysqlnd を指定すると、MySQL ネイティブドライバを使用します。
オプションの --with-mysql-sock[=DIR] で MySQL unix ソケットの場所を指定することができます。これは PDO_MYSQL を含むすべての MySQL 拡張モジュールで利用します。省略した場合はデフォルトの場所を検索します。
オプションの --with-zlib-dir[=DIR] で、 libz のインストールプレフィックスを指定することができます。
$ ./configure --with-pdo-mysql --with-mysql-sock=/var/mysql/mysql.sock
SSL サポートを有効にするには、適切な PDO_MySQL 定数 を指定します。これは » MySQL C API 関数 mysql_ssl_set() をコールするのと同じ意味になります。また、SSL を PDO::setAttribute で有効にすることはできません。というのも、この時点ではすでに接続が確立されてしまっているからです。 MySQL のドキュメントで » SSL を使った MySQL への接続 について確認しましょう。
バージョン | 説明 |
---|---|
5.4.0 | MySQL クライアントライブラリ 4.1 を含む、それ以前のバージョンはサポートされなくなりました。 |
5.3.9 | mysqlnd と OpenSSL による SSL サポートが追加されました。 |
5.3.7 | libmysql と OpenSSL による SSL サポートが追加されました。 |
このドライバでは以下の定数が定義されて
います。これは拡張モジュールが PHP に組み込まれているか、実行時に動的にロード
されている場合のみ使用可能です。さらに、これらのドライバ固有の定数は
そのドライバを使用している場合にのみ使用されます。
あるドライバ固有の属性を別のドライバで使うと、予期せぬ結果を引き起こします。
もし複数のドライバを使用しているコードを実行している場合、
PDO::getAttribute() で PDO_ATTR_DRIVER_NAME
属性を使用することで、使用中のドライバ名を調べることが可能です。
PDO::MYSQL_ATTR_USE_BUFFERED_QUERY
(integer)
TRUE
に設定すると、
MySQL ドライバはバッファ版の MySQL API を使用します。
移植性の高いコードを書くには、代わりに
PDOStatement::fetchAll() を使用すべきです。
例1 mysql でクエリのバッファリングを強制する
<?php
if ($db->getAttribute(PDO::ATTR_DRIVER_NAME) == 'mysql') {
$stmt = $db->prepare('select * from foo',
array(PDO::MYSQL_ATTR_USE_BUFFERED_QUERY => true));
} else {
die("このアプリケーションは mysql でしか動作しません。代わりに \$stmt->fetchAll() を使用すべきです");
}
?>
PDO::MYSQL_ATTR_LOCAL_INFILE
(integer)
LOAD LOCAL INFILE を有効にします。
この定数を使うのは、新しいデータベースハンドルを作るときの
driver_options
配列内だけであることに注意しましょう。
PDO::MYSQL_ATTR_INIT_COMMAND
(integer)
MySQL サーバーへの接続時に実行するコマンドを指定します。 再接続の際には自動的に再実行されます。
この定数を使うのは、新しいデータベースハンドルを作るときの
driver_options
配列内だけであることに注意しましょう。
PDO::MYSQL_ATTR_READ_DEFAULT_FILE
(integer)
my.cnf ではなく、 指定した名前のファイルからオプションを読み込みます。 このオプションは、mysqlnd を使っている場合は利用できません。 mysqlnd は mysql の設定ファイルを読んでいないからです。
PDO::MYSQL_ATTR_READ_DEFAULT_GROUP
(integer)
my.cnf あるいは
別のファイル (MYSQL_READ_DEFAULT_FILE
で指定したもの) の中の、指定した名前のグループからオプションを読み込みます。
このオプションは、mysqlnd を使っている場合は利用できません。
mysqlnd は mysql の設定ファイルを読んでいないからです。
PDO::MYSQL_ATTR_MAX_BUFFER_SIZE
(integer)
バッファの最大サイズ。デフォルトは 1 MiB です。 mysqlnd を指定してコンパイルした場合は、この定数はサポートされていません。
PDO::MYSQL_ATTR_DIRECT_QUERY
(integer)
プリペアドステートメントではなく、直接クエリを実行します。
PDO::MYSQL_ATTR_FOUND_ROWS
(integer)
変更された行数ではなく、見つかった (マッチした) 行数を返します。
PDO::MYSQL_ATTR_IGNORE_SPACE
(integer)
関数名の後に続く空白を許可します。 すべての関数名を予約語にします。
PDO::MYSQL_ATTR_COMPRESS
(integer)
ネットワーク通信の圧縮を有効にします。これは、 mysqlnd を使ってコンパイルした場合はサポートされていません。
PDO::MYSQL_ATTR_SSL_CA
(integer)
これが使えるようになった PHP のバージョンは 5.3.7.
PDO::MYSQL_ATTR_SSL_CAPATH
(integer)
これが使えるようになった PHP のバージョンは 5.3.7.
PDO::MYSQL_ATTR_SSL_CERT
(integer)
これが使えるようになった PHP のバージョンは 5.3.7.
PDO::MYSQL_ATTR_CIPHER
(integer)
これが使えるようになった PHP のバージョンは 5.3.7.
PDO::MYSQL_ATTR_KEY
(integer)
これが使えるようになった PHP のバージョンは 5.3.7.
php.ini の設定により動作が変化します。
名前 | デフォルト | 変更可能 |
---|---|---|
pdo_mysql.default_socket | "/tmp/mysql.sock" | PHP_INI_SYSTEM |
pdo_mysql.debug | NULL | PHP_INI_SYSTEM |
以下に設定ディレクティブに関する 簡単な説明を示します。